経営革新等支援機関の業務について
久保田良則公認会計士事務所は、2017年1月に開業しましたが、翌月には経営革新等支援機関(認定支援機関)の認定を受け、積極的に支援業務を実施しています。
そこで今回は、経営革新等支援機関の概要と支援内容についてご紹介していきます。
経営革新等支援機関(認定支援機関)は公的な支援機関であり、中小企業に対して専門性の高い支援事業を行う個人・法人・中小企業支援機関等が国から認定されています。
<認定支援機関の例>
・商工会や商工会議所など中小企業支援者
・金融機関
・公認会計士、税理士、弁護士等の士業
認定に当たっては、税務、金融及び企業財務に関する専門的知識や支援に係る実務経験が一定レベル以上あることが求められ、具体的には以下の基準を満たす者が経営革新等支援機関として認定されます。
経営革新等支援機関の制度が始まってから現在(2017年4月時点)までで26,132機関が認定されており、その多くが税理士・公認会計士であって、巷の「会計事務所」の多くは認定支援機関となっています。
しかしながら、実際には認定支援機関の活動を行っていない会計事務所等が多く、また、知識や支援能力の差も大きく開いているのが現状です。
このようなことから、支援実績のない支援機関に対し、認定を取り消すか改めて認定を受け直させるといったような検討もされています。
認定支援機関は、中小企業・小規模事業者の多様化・複雑化する経営課題に対して、様々な専門性の高い支援を実施しますが、ここでは、認定支援機関を活用することによるメリットが特に大きい支援内容についてご紹介します。
① 早期経営改善計画策定の支援
資金繰り管理や採算管理などの早期段階からの経営改善の取組む中小企業・小規模事業者の事業計画の策定を、認定支援機関が支援します。
リスケ等の銀行からの金融支援を受ける必要はなく、また、中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し負担する計画策定及びモニタリングにかかる費用については、国から3分の2(上限20万円)が補助されます。
② 経営改善計画策定の支援
借入金の返済負担等、財務上の問題を抱えていて、金融支援が必要な中小企業・小規模事業者を対象として、認定支援機関が中小企業・小規模事業者の依頼を受けて経営改善計画などの策定支援を行います。
支援にあたっては、一定の要件の下、中小企業・小規模事業者が認定支援機関に対し負担する経営改善計画策定支援に要する計画策定費用及び フォローアップ費用の総額について、国から3分の2(上限200万円)が補助されます。
③ 経営力向上計画策定の支援
経営力向上計画は、固定資産税が3年間半減する等の税制上の恩恵を受けられたり、政策金融機関の低利融資などの金融支援、補助金申請時の加点等、作成することで様々なメリットのある計画です。
経営力向上計画の作成にあたって、認定支援機関の支援を受けることが出来ます。
④ 認定支援機関からの支援を受けることにより利用できる金融支援
(融資制度)
日本政策金融公庫の融資制度の一つに「中小企業経営力強化資金」というものがあります。この制度の利用は認定支援機関の支援が必須ですが、2,000万円まで無担保・無保証人で利用でき、かつ低い金利で融資を受けることができます。
(信用保証料の減免)
認定支援機関の支援を受けつつ、経営改善に取り組む場合には、信用保証協会が保証料を減免(概ね▲0.2%)する「経営力強化保証制度」も利用できます。
⑤ 補助金申請支援
「ものづくり補助金」等、国が公募する補助金の中には、経営革新等支援機関の支援が必須となっているものがあります。
特に以下のようなケースでは、認定支援機関の活用により税制や資金調達において有利になるケースがあります。
新規に借入れを考えている
設備投資の予定がある
新たなサービスの提供を検討している
これ以外にも、認定支援機関は、財務や会計に関する十分な知識と、豊富な経験に基づいたアドバイスを行いますので、様々な場面でメリットが生じます。
是非、経営革新等支援機関(認定支援機関)をご活用ください!